瀧 靖之先生講演会 「子どもの健やかな脳発達のために」

 今回の講演者は、東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター・副センター長、東北大学加齢医学研究所教授、医師 医学博士であられる瀧 靖之先生でした。先生のご著書「こんな簡単なことで子供の可能性はぐんぐん伸びる!」は全国でベストセラーであり、全国で保育園を展開している私にとってもとても共感できる書籍でした。 NHKなどのテレビやラジオにも多数ご出演されておられます。

 

まず、最初にオマケとして、専門の認知症について少しだけポイントをお話しいただきました。

 

*認知症の研究を専門のため認知症予防3つのポイント   

それは、以下の3つだそうです。

運動30分くらいの歩行など息が少しはずむ程度の運動を無理なく習慣することが大事!)

趣味・好奇心(趣味がある方は趣味を続ける。趣味がない方は旅行や料理は頭を使うのでおすすめ)

会話・コミュニケーション

 

これを続ければ、大分改善するそうです。なんか子どもと一緒ですね!

 

そして、本題の「子どもたちを健やかな脳を発達」させる方法は、以下の5つです!!!

 

  脳は後ろから前に向かって発達する

 何かを習得するにあたって何歳から何を始めても確実に得ることができるが、良いタイミング(臨界期)というものがあり、その時期に行った方が効率よく得ることができる。

 0歳:愛着形成 1歳:読み聞かせ 2歳:知的好奇心 3歳~5歳:運動・音楽

 8歳~10歳:英語  小・中学生:コミュニケーション

 

知的好奇心を高めるのは仮想の世界と現実の世界を結びつける

絵本や図鑑を見て興味を持つものがあったら本物を見せに行く。子どもは模倣するので好奇心を持ってほしいものを親も自ら行い、一緒に楽しむ。

 

アウトドア体験の世界

「運動」「コミュニケーション」「好奇心」の要素があるアウトドア体験は子どもの脳に非常に良い刺激になる。

 

  保護者の子どもへの関わりは健やかな脳発達において重要である。

 認知能力(学力)が高い子は非認知能力(自己肯定感)も高いというデータがある。自己肯定感を高めることに重点を置かれるようになっている。面白くて仕方がない、とことん突き詰める、熱中体験できる脳が東大脳である。

 東大生を子どもに持つ保護者の共通点は「勉強しなさい」と言ったことがなく、「あなたの好きなようにやりなさい」と言って育ててきたことである。

 

③子どもの生活習慣も脳発達に大きな影響を与える

 睡眠時間が長い子どもたちの方が記憶を司る海馬の体積が多い。

 朝食にご飯を食べている子どもたちは菓子パンを食べている子どもたちより脳の発達がより進んでいると考えられる。

 

  メディアが脳発達に与える影響も明らかになりつつある

非認知能力の一つである共感性が昔の人に比べ、今の人は低くなっている。デジタル化しているネット社会が原因となっているのではないかと考えられている。昔はネットが普及していないため直接的に人と人とのコミュニケーションがとれていたが、ネット上で文字だけの会話になり、コミュニケーション不足になっていることが否めない。

 

 WHOがゲーム障害を疾患として認定した。ゲーム中毒になると直接的な身体・脳への影響だけでなく、食事・睡眠・コミュニケーションなど基本的生活習慣まで阻むのが1番の問題である。ゲームは時間を決めて行い、その時だけ熱中して楽しむようにする。

 

新聞・読書は脳発達に有用である可能性が考えられる

 言葉の数が増えるとその言葉を知るためにますます語彙が増える。図鑑をみるといろんなことを覚える。覚えておいたことが学校の学習で出てきたときに親しみやすく、ハードルが下がる。図鑑は大人でもおもしろく興味を持てるので親子で図鑑を楽しむとよい。

 

とても素晴らしいお話しを誠にありがとうございました。

うちの保育方針と合致していて、自信が持て確信に変わりました。感謝申し上げます。合掌

 

  令和2年1月25日 園長 長谷川俊道

 

<プロフィール>

【瀧 靖之(たき やすゆき)】

東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター 副センター長

東北大学加齢医学研究所教授 医師 医学博士。

東北大学加齢医学研究所及び東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、

脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。

読影や解析をした脳MRIは、これまでにのべ約16万人に上る。

「脳の発達と加齢に関する脳画像研究」「睡眠と海馬の関係に関する研究」

「肥満と脳萎縮の関係に関する研究」など多くの論文を発表している。

著書は、「生涯健康脳(ソレイユ出版)」「賢い子に育てる究極のコツ(文響社)」

「本当は脳に悪い習慣、やっぱり脳にいい習慣(PHP研究所)」始め多数、

特に「生涯健康脳」「賢い子に育てる究極のコツ」は共に10万部を突破するベストセラーとなっている 。

テレビ東京「主治医が見つかる診療所」、

NHKスペシャルアインシュタイン 消えた“天才脳”を追え」、

NHK「あさイチ」、TBS「駆け込みドクター!」など、メディア出演も多数。